トライアンフ ボンネビル T120の購入を検討する中で、「後悔」というキーワードが気になっていませんか。そのクラシックで美しいデザインに惹かれる一方で、オーナーの中には「飽きる」あるいは「つまらない」と感じる声があるのも事実です。
また、具体的な性能として最高速や燃費、そして故障のリスクについても不安を感じるかもしれません。特に、兄弟車であるボンネビル T120とT100のどちらを選ぶべきか、中古市場での注意点、人気のブラックエディション、さらには最新の2025年モデルの動向まで、気になる点は多岐にわたるでしょう。
この記事では、購入後に後悔しないために、カスタムの可能性も含め、あらゆる角度からボンネビル T120を徹底解説します。
なぜボンネビル T120 は後悔すると言われるか

- 走りがつまらないと言われる理由
- クラシックなスタイルに飽きる可能性
- 最高速や加速性能における不満点
- 故障リスクとメンテナンス費用
- 気になる燃費と年間維持費
走りがつまらないと言われる理由

ボンネビル T120が「つまらない」と評価される主な理由は、そのエンジン特性と車重にあります。搭載されている1200ccバーチカルツインエンジンは、アイドリングのすぐ上から非常に力強いトルクをフラットに発生させることが最大の特徴です。
このおかげで、街中でのストップアンドゴーや、ワインディングを一つのギアで流すような走り方が非常に得意で、ライダーにストレスを感じさせないジェントルな走りを提供してくれます。
しかし、一部のライダー、特に高回転域の伸びやパワーバンドを駆使して鋭い加速を楽しむスポーツバイクに慣れた方からすると、どこまでも穏やかに、しかし力強く続く独特の加速感が「刺激不足」と感じられることがあります。
エンジンの回転数を上げても劇的なパワーの盛り上がりがなく、タコメーターの針の上昇と速度の上昇が淡々と比例していくフィーリングは、興奮よりも安定感を重視したセッティングです。これが物足りなさを感じる一因なのです。
味わい深さとのトレードオフ
この穏やかな乗り味は、決して欠点というわけではありません。
むしろ、270度クランクが生み出す独特の鼓動を感じながら、景色を楽しみ、ゆったりと流す「味わい深いライディング」を好むライダーにとっては、これ以上ない魅力となります。速さや刺激だけがバイクの楽しさではないことを、乗るたびに教えてくれる一台と言えるでしょう。
加えて、236kgという装備重量も、走りの印象に大きく影響を与えています。この重さから、タイトなコーナーが続く峠道では、軽快なスポーツバイクのような「ヒラリ感」は得にくく、切り返しには「ヨイショ」という感覚が伴います。
もちろん、一度バンクさせてしまえば安定したコーナリングを見せますが、そこに至るまでの俊敏さはありません。総じて、ボンネビル T120はサーキットのラップタイムを削るバイクではなく、その世界観と古き良き英国車の雰囲気を楽しむ大人のバイクであるため、求める方向性が違うと「つまらない」という評価につながってしまうのです。
クラシックなスタイルに飽きる可能性

ボンネビル T120の最大の魅力であり、購入の決め手となるのが、時代を超越した美しいクラシックスタイルです。しかし、その完成され、普遍的であるがゆえのデザイン性が、逆に「飽きる」という感情につながる可能性も一部で指摘されています。
一つの理由として、カスタムによる変化の幅が限定されやすい点が挙げられます。ボンネビル T120は、メーカー自身が細部までこだわり抜いて作り上げた、完成されたデザインを持っています。そのため、多くのオーナーはバイクの世界観を崩さない範囲でのカスタムを楽しみます。
一方で、例えばカワサキのZ900RSやBMWのR nineTのように、外装キットや多種多様な社外パーツによって全く異なるスタイルへと変貌させるような、ドラスティックなカスタムの自由度は高くありません。そのため、常に変化や新しい刺激を求めるライダーにとっては、いずれマンネリを感じてしまう可能性があるのです。
また、オーナー層の傾向も、乗り手の価値観によっては影響するかもしれません。トライアンフのクラシックモデルが集まるイベントやカフェでは、バイクと共に成熟した時間を楽しむ落ち着いた年代のライダーが多く見られます。
もちろん、それはバイクが持つ格式と魅力を反映した素晴らしい文化ですが、若い感性を持つライダーや、多様なバックグラウンドを持つコミュニティとの交流を積極的に求める方にとっては、少し物足りなく感じることがあるかもしれません。
ただ、この「飽きる」という点は、完全に視点を変えれば「流行に左右されず、10年後も色褪せない価値を持つ」ということでもあります。一時的な興奮や熱狂よりも、ガレージに佇む姿を眺めるだけで満たされるような、じっくりとした所有感を味わいたい方には、むしろ最適な選択と言えるでしょう。
言ってしまえば、派手さや目新しさを追い求めるのではなく、普遍的な機械美を静かに慈しむ。ボンネビル T120は、そのような価値観を持つライダーにこそ、最高の満足感と長く続くパートナーシップを提供してくれるのです。
最高速や加速性能における不満点

ボンネビル T120の性能を語る上で、最高速や加速力が話題に上ることがあります。結論から言うと、このバイクは絶対的なスピードを競うモデルではなく、実用域での豊かさを追求したモデルです。
トライアンフ公式サイトのスペックによると、最高出力は80PS/6,550rpmと、現代のリッタークラスのバイクとしては控えめな数値です。そのため、スーパースポーツモデルのような暴力的な加速や、300km/hに迫るような最高速は期待できません。
実際のところ、最高速は200km/h前後とされていますが、カウルのないネイキッドスタイルと、アップライトなライディングポジションを考えれば、その速度域で快適に巡航するのは現実的ではないでしょう。
しかし、このバイクの真価は最高出力の数値にはありません。注目すべきは105N·m/3,500rpmという、極めて低い回転数で発生する強大なトルクです。これは、わずか3,500回転で最大トルクを発生させることを意味しており、信号からの発進や追い越し加速など、日常的によく使うシーンで「分厚いトルクの波に乗る」ような、非常に力強く余裕のある走りを見せてくれます。
実用域でのパフォーマンスは十分以上
0-100km/h加速のタイムは5秒前後という情報もあり、これは多くのスポーツカーに匹敵する俊足です。つまり、「遅い」という評価は、あくまでサーキット走行や非合法な速度域での話であり、公道で交通の流れを安全かつスムーズにリードするには十分すぎる性能を持っているのです。
もし不満を感じるとすれば、高速道路で前の車を追い越す際に、高回転域での「もう一伸び」が欲しいと感じる場面があるかもしれません。
しかし、それはT120が本来得意とするステージではないということです。このバイクの真価は、数字上のスペックではなく、豊かなトルクが生み出す心地よい鼓動感と、どこまでも走り続けたくなる余裕に満ちたクルージング性能にあります。
故障リスクとメンテナンス費用

外車であるトライアンフに対して、「故障が多いのではないか」「維持費が高いのではないか」という不安を持つ方は少なくありません。しかし、水冷エンジンが搭載された現代のボンネビル T120は、過去の英国車のイメージとは異なり、高い品質と信頼性を備えています。
多くのオーナーレビューでは「大きなトラブルに見舞われることなく、快調に走っている」という声が多数を占めており、「故障知らずの優等生」と評されることも少なくありません。
これは、トライアンフが設計・製造プロセスにおける品質管理を徹底しており、電装系などに信頼性の高い日本製部品を効果的に採用していることも一因とされています。
もちろん、工業製品である以上、消耗品の交換や経年劣化によるトラブルのリスクはゼロではありません。特に注意したいのは以下の点です。
- 電装系:現代のバイクで最も一般的なトラブルは、長期間乗らない場合のバッテリー上がりです。特にT120はセキュリティシステムなどの待機電力があるため、定期的にエンジンをかけるか、バッテリーチャージャーに接続するなどの対策が有効です。
- 足回り:タイヤやブレーキパッドは走行距離に応じて定期的な交換が必要です。特にT120は車重があるため、摩耗は比較的早い傾向にあります。また、フロントフォークのオイルシールやリアサスペンションも、年数が経つとオイル漏れなどを起こす可能性があります。
ECUと連動するメンテナンスは正規ディーラーで
ボンネビル T120はライド・バイ・ワイヤやABS、トラクションコントロールなど、ECU(エンジンコントロールユニット)によって統合制御されています。
そのため、エラーコードの診断や各種アップデートには専用の診断機が不可欠です。信頼できる正規ディーラーで定期的にメンテナンスを受けることが、バイクのコンディションを最適に保ち、予期せぬトラブルを未然に防ぐ上で非常に重要となります。
メンテナンス費用については、やはり国産バイクと比較すると部品代や工賃がやや高くなる傾向はあります。
例えば、エンジンオイル交換は1回あたり1.5万円~2万円程度、2年に1度の車検費用は法定費用とは別に5万円~10万円程度が相場です。これらのランニングコストを許容できるかどうかも、購入前に考慮すべき重要な判断基準になります。
気になる燃費と年間維持費

ボンネビル T120を所有する上で、燃費や年間の維持費は避けて通れない現実的な問題です。
1200ccという大排気量エンジンを搭載していますが、実際の燃費性能とランニングコストはどの程度なのでしょうか。
公式サイトによると、国際基準であるWMTCモード値での燃費は21.3km/Lと公表されています。オーナーの実燃費報告を見ても、街乗りからツーリングまで含めた平均で20km/L前後という声が多く、このクラスのモデルとしては比較的良好な数値と言えるでしょう。14.5Lの燃料タンク容量と合わせると、無給油での航続距離は250km以上を見込めます。
これを基に、具体的な年間維持費をシミュレーションしてみましょう。バイクを所有するには、税金や保険といった固定費と、走行距離に応じて変動する費用がかかります。
ボンネビル T120 年間維持費シミュレーション(目安)
項目 | 費用(年間) | 備考 |
---|---|---|
軽自動車税 | 6,000円 | 毎年4月1日時点の所有者に課税。(出典:総務省「平成28年度から軽自動車税の税率が変わります」) |
自動車重量税 | 1,900円 | 車検時に2年分(3,800円)を納付。1年あたりに換算。 |
自賠責保険 | 約4,135円 | 25ヶ月契約(8,270円)の場合の1年あたり換算額。 |
任意保険 | 30,000円~80,000円 | 年齢、等級、車両保険の有無、補償内容により大きく変動します。 |
ガソリン代 | 約40,000円 | 年間走行距離5,000km、燃費20km/L、ガソリン価格160円/Lで計算。 |
メンテナンス費用 | 約20,000円~ | エンジンオイル交換(年1~2回)など基本的な整備費用。 |
合計(目安) | 102,035円~ | 上記に加えて、2年に1回の車検費用(工賃等)、タイヤやブレーキパッド等の消耗品交換費用が別途必要です。 |
このように、任意保険の内容によって総額は大きく変動しますが、年間でおおよそ10万円から15万円程度の維持費がかかると想定しておくと安心です。
もちろん、これはあくまで一例であり、走行距離や保管状況、メンテナンスの頻度によって費用は変わってきます。購入後のバイクライフを具体的にイメージし、無理のない予算を計画しておくことが大切です。
ボンネビル T120 で後悔しないための比較検討

- カスタムで不満点を解消できるか
- ボンネビル T120 と T100 の違い
- 中古車選びで失敗しないポイント
- 人気のブラックエディションの特徴
- 最新2025年モデルの変更点
カスタムで不満点を解消できるか

ボンネビル T120のノーマル状態に物足りなさを感じたとしても、カスタムによってその不満点を解消し、自分好みの一台に育て上げる楽しみがあるのも、このバイクの魅力の一つです。
前述の通り、バイクのシルエットを劇的に変えるようなカスタムの幅は広くありませんが、走行性能や乗り心地、そして何よりフィーリングを向上させるための質の高いパーツは豊富に存在します。
サウンドと鼓動感をアップするマフラー交換
「刺激が足りない」「音が静かすぎる」と感じる方に最もおすすめなのがマフラー交換です。特にVANCE&HINES(バンス&ハインズ)製のスリップオンマフラーは定番中の定番で、ノーマルの静かで上品な排気音から、バーチカルツインらしい重厚で歯切れの良いサウンドへと劇的に変化させることができます。
ただ音量が大きくなるだけでなく、心地よい鼓動感も増すため、アクセルを開けるのが楽しくなり、ライディングの満足感が格段に向上するでしょう。
走りの質を根底から変えるサスペンション交換
ワインディングでの走行性能や、路面の悪い道での乗り心地に不満がある場合は、サスペンションのアップグレードが極めて効果的です。
Öhlins(オーリンズ)やナイトロンといった一流ブランドの高性能なリアショックに交換することで、路面追従性が飛躍的に向上し、コーナリング時の安定感やギャップを乗り越えた際の収まりが格段に良くなります。
走りの質がワンランクもツーランクも向上し、結果として長距離ツーリングでの疲労軽減にも大きく貢献します。
実用性とスタイルを両立するその他のおすすめカスタム
他にも、長距離ツーリングの必需品である積載性を向上させるためのリアキャリアや、クラシカルな雰囲気を損なわないレザー製のサイドバッグの装着は非常に人気があります。
また、高速巡航時の風圧を和らげる純正オプションのスクリーンや、より操作性を改善するための調整式レバー類など、実用性を高めるカスタムも豊富です。
一つ一つのパーツは高価な傾向にありますが、自分のバイクライフに必要なものから計画的にカスタムを進めることで、ボンネビル T120はさらに魅力的でかけがえのないパートナーへと成長していくでしょう。
ボンネビルT120とT100の違い

ボンネビルシリーズの購入を検討する際、誰もが一度は悩むのがT120とT100の選択です。
この2台はクラシカルな兄弟車として非常によく似たスタイリングを持っていますが、その心臓部であるエンジンから装備に至るまで、キャラクターは大きく異なります。後悔しない選択をするために、その違いを正確に把握しておきましょう。
最も大きな違いはエンジンです。T120が1200ccの「ハイトルク」エンジンを搭載し、どこからでも加速する余裕の走りを実現しているのに対し、T100は900ccエンジンを搭載し、より軽快で回して楽しむ扱いやすいキャラクターとなっています。
具体的なスペックと装備の違いを、トライアンフの公式サイトを参考に以下の表にまとめました。
ボンネビル T120 vs T100 スペック・装備比較
項目 | ボンネビル T120 | ボンネビル T100 |
---|---|---|
エンジン排気量 | 1200cc | 900cc |
最高出力 | 80PS / 6,550rpm | 65PS / 7,400rpm |
最大トルク | 105N·m / 3,500rpm | 80N·m / 3,750rpm |
フロントブレーキ | ダブルディスク(Brembo製キャリパー) | シングルディスク |
ライディングモード | あり(ROAD / RAIN) | なし |
標準装備 | グリップヒーター、センタースタンド | なし |
装備重量 | 236kg | 228kg |
シート高 | 790mm | 790mm |
新車価格(参考) | 約186万円~ | 約151万円~ |
このように、T120は単にパワーがあるだけでなく、制動力を高めるダブルディスクブレーキや、天候に応じて出力を変更できるライディングモード、冬場に重宝するグリップヒーターなど、上位モデルとしての充実した装備を誇ります。
高速道路を多用した長距離ツーリングやタンデム走行がメインであれば、トルクと装備に勝るT120が、街乗り中心で軽快さや扱いやすさ、そしてコストパフォーマンスを重視するならT100が適していると言えるでしょう。
価格差は約35万円ありますが、装備内容を考えるとT120は決して割高ではありません。ぜひ両方に試乗して、ご自身の体格やライディングスタイルに合った一台をじっくりと見つけてください。
中古車選びで失敗しないポイント

ボンネビル T120をよりリーズナブルに手に入れる方法として、中古車の購入は非常に有効な選択肢です。
しかし、見た目の綺麗さだけで判断して質の悪い車両を選んでしまうと、購入後に思わぬ出費やトラブルに見舞われ、結果的に「大きな後悔」に繋がります。失敗しないためには、いくつかの重要なチェックポイントを冷静に見極める必要があります。
最重要項目:整備履歴の有無
中古車選びで最も重要なのは、前オーナーが定期的なメンテナンスを正規ディーラーで受けていたかどうかを示す「整備記録簿」の有無です。
記録簿がきちんと残っている車両は、オイル交換や定期点検が適切に行われてきた証拠であり、コンディションが良好である可能性が非常に高いと言えます。特に、いつ、何キロ時点で、どのような整備が行われたかが明確な車両を選びましょう。
走行距離と年式の最適なバランス
走行距離が少ない車両は魅力的ですが、例えば5年以上前の年式なのに走行距離が数千kmという場合は注意が必要です。長期間ほとんど動かされずにガレージで眠っていた可能性があり、ゴム製のシールやホース類の劣化、見えない部分の錆、バッテリーの深刻な消耗などが進んでいることがあります。
逆に、年式が新しく走行距離が多少多くても、定期的にメンテナンスされていれば、コンディションが良いケースも多いです。年式と走行距離のバランスを見て、定期的に動かされていた車両かを見極めることが大切です。
現車確認で見るべき物理的なチェックポイント
必ず現車を確認し、以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
- 転倒の痕跡:エンジンケース、ハンドルバーエンド、ステップ、ブレーキ・クラッチレバーの先端に大きな傷や削れがないか。軽度の立ちゴケ程度なら問題ありませんが、フレームに影響が及ぶような大きな転倒歴のある車両は絶対に避けるべきです。
- 消耗品の状態:タイヤの溝は十分残っているか、ひび割れはないか。チェーンは錆びていたり、固着していないか。ブレーキパッドの残量は十分か。これらの消耗品はすぐに交換が必要だと、追加で数万円の出費となります。
- 不自然なカスタム:配線が乱雑な電装系のカスタムや、メーカー不明の安価な社外パーツが多用されている車両も、後々のトラブルのリスクが高まるため注意が必要です。
これらのポイントを踏まえ、できればトライアンフの扱いに慣れた、信頼できる販売店で購入することが、後悔しない中古車選びの最大の鍵となります。保証が付いている車両であれば、さらに安心してバイクライフをスタートできるでしょう。
人気のブラックエディションの特徴

ボンネビル T120には、通常モデルとは別に「Bonneville T120 Black」という、その名の通り各部のパーツをブラックで統一した精悍なスタイリングが特徴のバリエーションが存在します。
このモデルは、クラシカルなシルエットはそのままに、よりモダンで引き締まった印象を求めるライダーから高い人気を誇っています。
通常モデルが、エンジンカバーやエキゾースト、ホイールリムなどに美しいクロームメッキのパーツを多用し、華やかでトラディショナルな雰囲気を演出しているのに対し、「T120 Black」は以下のような主要パーツがブラックアウトされています。
- エンジンカバー(マットブラックまたはグラファイト)
- ピーシュータースタイルのエキゾーストシステム(マフラー含む)
- ホイールリム
- ヘッドライトリム、ベゼル
- ハンドルバー、ミラー、インジケーターボディ
これらの徹底したブラックアウトにより、バイク全体が一体感を増し、よりモダンでクール、そして少しだけアグレッシブな印象を与えます。
特に、マット仕上げの塗装と組み合わされることで、光の当たり方によって表情を変える独特の存在感を放ちます。また、モデルによってはブラウンのタックロールシートが標準装備されるなど、細部にまでこだわったカラーコーディネートが施されています。
性能や基本スペックは通常モデルと完全に共通
ここで注意したいのは、「T120 Black」はあくまでスタイリングのバリエーションであり、エンジン性能、車体の基本スペック、装備(ライディングモードやグリップヒーター等)は通常モデルのT120と全く同じであるという点です。
そのため、どちらのモデルを選ぶかは、純粋にご自身のデザインの好みで決めて問題ありません。太陽の下で輝く華やかで伝統的なスタイルを好むなら通常モデル、都会の夜にも映えるような、シックでモダンなスタイルを好むならブラックエディションがおすすめです。
最新2025年モデルの変更点

バイクの購入を検討する際、特に高価な新車を狙うのであれば、間もなく登場するであろう次期モデルの情報は非常に気になるものです。
特にボンネビル T120のような長く愛されるロングセラーモデルでは、大きなモデルチェンジが控えていないかどうかは重要な判断材料になります。
結論から言うと、2025年モデルとして、ボンネビル T120に大幅なモデルチェンジ(フルモデルチェンジ)が行われるという公式な発表は現時点ではありません。(2024年4月時点)
近年のトライアンフの製品サイクルを見ると、ボンネビルシリーズは数年おきにカラーリングの変更や追加(イヤーカラー)を行い、商品ラインナップをリフレッシュする傾向が強いです。
そのため、2025年モデルも、基本性能やデザイン、主要装備は現行モデルを継承しつつ、新しい魅力的なカラーバリエーションがいくつか追加される可能性が最も高いと考えられます。
現行モデルの完成度は非常に高く、熟成の域に
ボンネビル T120は、2021年にユーロ5排出ガス規制に対応するメジャーアップデートを受けた際に、エンジンのレスポンス向上やクランク質量の低減による軽量化、ホイールの軽量化によるハンドリング性能の向上など、多岐にわたる重要な改良が施されました。
このアップデートにより、モデルとしての完成度は非常に高いレベルに達しており、いわば「熟成の域」に入っています。したがって、近い将来に性能面で大きな変更が加えられる可能性は低いと見るのが自然でしょう。
もし、どうしても最新のイヤーカラーが欲しいという強いこだわりがなければ、現行モデルや、場合によっては登録済み未使用車、程度の良い中古車を購入しても、性能面で「後悔」することはまずありません。
むしろ、モデル末期は魅力的なキャンペーンが実施されたり、在庫車の条件が良くなったりする可能性もあるため、購入のタイミングとしては悪くないと言えるかもしれません。
まとめ:ボンネビル T120 の後悔を避けるには
この記事では、ボンネビル T120の購入で後悔しないために知っておくべき様々な情報をご紹介しました。最後に、理想の一台と出会うための重要なポイントをリスト形式でまとめます。
- ボンネビル T120は速さや刺激よりも、豊かなトルクが生む鼓動感と世界観を楽しむバイクである
- 穏やかな加速特性が、乗り手によっては「つまらない」と感じられる可能性があることを理解する
- 完成された普遍的なデザインゆえにカスタムの方向性が限られ「飽きる」と感じる可能性も考慮する
- 最高速は控えめだが、実用域でのトルクは非常に力強く、公道での加速に不満はない
- 現代のトライアンフは品質管理が徹底され、信頼性は高く大きな故障のリスクは低い
- ECUが関わるメンテナンスは専用診断機が必要なため、正規ディーラーでの整備が推奨される
- 燃費はリッター20km前後と良好だが、年間の維持費は税金や保険、消耗品を含め10万円以上を見込む
- 物足りなさはマフラーやサスペンションのカスタムで解消でき、走りの質を高める楽しみがある
- T100は900ccで軽快かつ安価、T120は1200ccでパワフルかつブレーキや快適装備が充実している
- 高速ツーリングやタンデムが多いならT120、街乗り中心ならT100が適している
- 中古車選びでは価格だけでなく、整備記録簿がきちんと残っているかを最優先で確認する
- ブラックエディションは性能は同じで、各部を黒で統一したモダンでクールなスタイリングが特徴
- 2025年モデルで大幅な性能向上などのフルモデルチェンジが行われる可能性は低い
- 購入前には必ずディーラーで試乗し、自身の体格やライディングスタイルに本当に合っているかを確認することが不可欠
- 最終的に後悔しないためには、自分がバイクに何を一番求めているのかを明確にしてから選ぶことが最も大切