トライアンフ トライデント660の購入を検討する中で、故障に関する評判が気になっていませんか。多くの方が、クイックシフターの不具合といった具体的なトラブルや、中古車を選んで後悔しないためのポイントについて情報を探しています。
また、実際の燃費や最高速の評価、信頼できる修理先としてレッドバロンの対応はどうなのか、といった点も重要な判断材料です。
さらに、兄弟車であるデイトナ660やタイガースポーツ660の故障リスクと比較して、総合的に判断したいと考える方もいるでしょう。この記事では、トライデント660の故障に関するあらゆる疑問に答え、安心してバイクライフを楽しむための情報を詳しく、そして深く掘り下げて解説します。
トライデント660の故障|主な原因と症状

- トライデント660の故障 評判と信頼性
- クイックシフターの不具合と修理方法
- レッドバロンでの修理対応と費用
- トライデント660の総合的な評価とは
- トライデント660の最高速と走行性能
- トライデント660の燃費はどのくらい?
トライデント660の故障 評判と信頼性

トライデント660の信頼性について結論から言うと、オーナーや専門メディアから総じて高い評価を得ています。かつての輸入車、特に英国車に抱かれがちだった「壊れやすい」というイメージは、現代のトライアンフには当てはまらないと言えるでしょう。
その中心にあるのが、熟成された水冷3気筒エンジンです。このエンジンは、トライアンフが長年培ってきた技術の結晶であり、低回転域の力強いトルクと高回転域のスムーズな吹け上がりを両立させ、その耐久性にも定評があります。
しかし、完璧な工業製品は存在しないのも事実です。トライデント660においても、いくつかの注意すべきトラブルが報告されています。最も多く聞かれるのが、TFTカラー液晶メーターや各種センサーといった電子部品のトラブルです。
具体的には、走行中に突然メーターの表示がフリーズする、あるいはエンジン警告灯が点灯するといった症状が挙げられます。これらは多くの場合、ECU(エンジンコントロールユニット)の一時的なエラーや、センサーの接触不良が原因であり、再起動やディーラーでの診断で解決することがほとんどです。
メーカーによる品質保証とリコール対応
トライアンフは品質向上に力を入れており、製造上の問題が発見された際には、迅速にリコール対応を行っています。例えば、過去にはサイドスタンドの不具合に関するリコールがありました。
こうしたメーカーの誠実な対応は、ユーザーが安心してバイクを所有できる大きな要因です。購入を検討する際は、トライアンフ公式サイトのリコール検索ページで対象車両になっていないかを確認することも重要です。
このように、トライデント660は高い基本性能とメーカーのサポート体制に裏打ちされた信頼性の高いバイクです。
ただし、ライド・バイ・ワイヤやトラクションコントロールなど、高度な電子制御技術が多用されているため、予期せぬトラブルを防ぐには、専門的な知識と診断機を持つ正規ディーラーでの定期的なメンテナンスが不可欠となります。
クイックシフターの不具合と修理方法

トライデント660のライディングの楽しさを格段に向上させる人気のオプションが「クイックシフター(トライアンフ・シフトアシスト)」です。
しかし、この便利な機能も精密な電子部品であるため、不具合が発生することがあります。報告される主な症状は、「シフトアップまたはダウン時にギアがスムーズに入らない」「シフト操作が重く感じる」「特定のギアでシフターが作動しない」といったものです。
これらの不具合が発生する原因は多岐にわたりますが、主に以下の3つが考えられます。
- センサー本体の物理的な故障や汚れ: シフトロッド周辺に設置されたセンサーが、泥やホコリで汚れたり、物理的な衝撃で破損したりすることで、正確な操作を検知できなくなります。
- 調整不良や取り付けミス: ディーラーでの取り付け時に、シフトロッドの長さやセンサーの位置が適切に設定されていないと、正常に作動しません。
- ソフトウェアの問題: 車両側のECUとクイックシフターの連携プログラムに問題がある場合、動作が不安定になることがあります。
もし不具合が疑われる場合、まずはシフトロッド周辺に汚れや損傷がないか目視で確認しましょう。軽微な汚れであれば、清掃するだけで改善する可能性もあります。
しかし、ほとんどの場合は専門的な診断が必要になるため、速やかに購入したディーラーや信頼できる整備工場に相談することが賢明です。
修理費用と対策
修理費用は原因によって大きく異なります。センサーの調整や清掃といった軽作業であれば工賃のみで済みますが、センサー本体の交換となると、部品代と工賃を合わせて3万円~5万円程度が目安となります。
ECUのアップデートは保証期間内であれば無償で対応してもらえることがほとんどです。多くのオーナーが「必須の装備」と口を揃える便利な機能だからこそ、違和感を覚えたら放置せず、早期に対応することをおすすめします。
レッドバロンでの修理対応と費用

正規ディーラーが近隣にない場合や、セカンドオピニオンを求めたい場合に、全国規模で店舗を展開するレッドバロンは非常に頼りになる存在です。トライデント660のような人気輸入車も、多くの店舗で取り扱いや整備の実績があります。
レッドバロンを利用する最大のメリットは、その利便性と独自のサポート体制にあります。全国約300店舗のネットワークにより、ツーリング先での急なトラブルにも対応してもらえる安心感は絶大です。
また、「オイルリザーブシステム」に加入していれば、オイル交換費用を大幅に抑えられる点も経済的に大きな魅力と言えるでしょう。
ただし、デメリットや注意点も存在します。特に修理費用に関しては、正規ディーラーと比較して必ずしも安価とは限りません。
また、店舗によって整備士のスキルや輸入車に対する習熟度に差がある可能性も否定できません。特にECU関連の診断やソフトウェアのアップデートなど、メーカー専用の診断機が必要な作業は、最終的にディーラーでなければ対応できないケースもあります。
どちらに依頼するかは、状況に応じて判断するのが良いでしょう。日常的なメンテナンスや消耗品の交換は利便性の高いレッドバロンで、原因不明のエンジン不調や電気系統のトラブルは専門性の高い正規ディーラーで、といった使い分けが賢い選択かもしれません。
正規ディーラー vs レッドバロン 比較表
項目 | 正規ディーラー | レッドバロン |
---|---|---|
専門性 | ◎(メーカー専門の知識・診断機) | ○(店舗によるが、幅広い車種に対応) |
利便性 | △(店舗数が限られる) | ◎(全国に約300店舗) |
部品供給 | ○(純正部品の調達が確実) | ◎(独自の供給網と豊富な在庫) |
費用 | △(工賃が高めな傾向) | △(ケースバイケース、要見積もり) |
サポート | ○(メーカー保証、リコール対応) | ◎(オイルリザーブ、ロードサービス等) |
トライデント660の総合的な評価とは

トライデント660は、専門メディアや多くのオーナーから「気負わず付き合える最高の相棒」として高く評価されています。
その理由は、「ブーツを履いて覚悟を決めて乗る」ような大げさなバイクではなく、「お気に入りのスニーカーで散歩に出かける」ような気軽さで、非日常的な楽しさを味わえる点にあります。
このバイクの魅力を支えているのは、絶妙なバランス感覚です。まず、189kgという装備重量は、400ccクラスのネイキッドバイクに匹敵する軽さです。
これにより、駐車場での押し引きやUターンといった日常的なシーンでのストレスが全くありません。ひとたび走り出せば、その軽さは軽快なハンドリングに直結し、ライダーの意のままにヒラヒラとコーナーを駆け抜けることができます。
エンジンもまた、このバイクのキャラクターを決定づけています。低回転から力強いトルクを発生するため、街中ではアクセルを大きく開けなくても交通の流れをリードでき、ライダーを疲れさせません。
一方で、少しアクセルを開け足せば、3気筒エンジン特有の「ヒューン」というサウンドとともに、胸のすくような加速を味わうことができます。この二面性が、ビギナーからベテランまで幅広い層のライダーを魅了しているのです。
もちろん、いくつかの割り切りも必要です。特に積載性はデザインと引き換えに、ほぼ皆無と言っていいでしょう。また、コストダウンの影響か、ブレーキペダルの造形や、調整機構のないクラッチレバーに物足りなさを感じるという声もあります。
しかし、そうした点を補って余りあるほどのライディングの楽しさと所有感を、100万円前後という価格で提供している点が、トライデント660が総合的に高く評価される最大の理由と言えるでしょう。
トライデント660の最高速と走行性能

トライデント660の性能を語る上で、最高速の数値は多くのライダーの関心事ですが、このバイクの本質は最高速そのものにはありません。各種メディアのテストによれば、最高速はおおよそ200km/h~210km/hの範囲に収まるようですが、より重要なのはその過程と実用域でのパフォーマンスです。
このバイクの心臓部である660cc水冷3気筒エンジンは、最高出力81PSを10,250rpmで発生します。このスペックは、同クラスのライバルと比較して突出したものではありません。しかし、トライデント660の真骨頂は、最大トルク64Nmをわずか6,250rpmで発生させる、そのトルク特性にあります。
これは、常用する回転域で非常に力強く、扱いやすいことを意味します。例えば、0-100km/h加速タイムは約4秒前後というデータもあり、これは多くのスポーツカーに匹敵する俊足さです。
この特性は、ワインディングロードで最大限に活かされます。タイトなコーナーの立ち上がりでアクセルを開けると、有り余るトルクが車体を力強く押し出し、次のコーナーへとライダーを誘います。
軽量な車体とショートなギア比、そしてオプションのクイックシフターが組み合わさることで、まるでダンスを踊るような一体感のあるライディングが楽しめます。
高速巡航性能の注意点
一方で、ネイキッドスタイルのため、高速道路での長距離巡航は得意とは言えません。100km/hを超えると走行風の影響が大きくなり、ライダーへの負担が増加します。
オプションのスクリーンを装着することで多少は軽減されますが、あくまで快適なのは日本の法定速度域内と考えておくのが良いでしょう。最高速性能はあくまでポテンシャルの一つであり、このバイクの本当の魅力は、公道でこそ輝きます。
トライデント660の燃費はどのくらい?

トライデント660は、ミドルクラスのバイクとして非常に優れた燃費性能を誇り、経済性の高さも大きな魅力です。
メーカーが公表しているWMTC(World Motorcycle Test Cycle)モード値での燃費は21.3km/Lです。(参照:トライアンフ公式サイト)これは国際基準に基づいた測定値であり、実際の燃費に近い信頼性の高い数値です。
実際のオーナーからの報告を見ても、この数値を裏付ける良好な燃費記録が多数寄せられています。乗り方や走行環境によって変動しますが、平均するとリッターあたり23km~26km程度で走ることが可能です。
燃料タンク容量が14Lなので、無給油での航続距離は約320km~360kmと、日帰りツーリングから長距離の冒険まで、余裕を持って楽しむことができます。
この優れた燃費性能を活かし、年間の維持費をシミュレーションしてみましょう。税金や保険料といった固定費に加え、走行距離に応じたガソリン代などがかかります。
トライデント660 年間維持費シミュレーション(目安)
項目 | 費用(年間) | 備考 |
---|---|---|
軽自動車税 | 6,000円 | 毎年4月1日時点の所有者に課税。(出典:総務省) |
自動車重量税 | 1,900円 | 車検時に2年分(3,800円)を納付。1年あたりに換算。 |
自賠責保険 | 約4,000円 | 24ヶ月契約(約8,000円)の場合の1年あたり換算額。 |
任意保険 | 30,000円~ | 年齢、等級、補償内容により大きく変動。 |
ガソリン代 | 約34,800円 | 年間走行5,000km、燃費23km/L、ガソリン価格160円/Lで計算。 |
メンテナンス費用 | 約15,000円~ | エンジンオイル交換(年1回)など。 |
合計(目安) | 約91,700円~ | 上記に加え、タイヤ等の消耗品交換費用や2年に1度の車検費用が別途必要。 |
このように、任意保険の内容にもよりますが、基本的な維持費は年間10万円程度から見ておくと良いでしょう。走行性能の高さを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルであると言えます。
トライデント660の故障を防ぐための知識

- 購入後に後悔しないためのポイント
- 中古で買う際の注意点と選び方
- タイガースポーツ660の故障リスクは?
- デイトナ660の故障に関する情報
- トライデント660の故障リスクまとめ
購入後に後悔しないためのポイント

トライデント660は多くのライダーにとって素晴らしいパートナーとなり得るバイクですが、その特性を理解せずに購入すると「思っていたのと違った」と後悔に繋がる可能性があります。
後悔を避け、満足のいくバイクライフを送るために、特に以下の3つのポイントを事前にしっかりと検討してください。
1. オプション装備の戦略的な選択
納車時の高揚感から、つい多くの純正オプションを追加したくなりますが、一度立ち止まって考えることが重要です。前述の通り、クイックシフターはライディングの質を大きく向上させるため、予算が許す限り装着をおすすめします。
しかし、エンジンプロテクターやバーエンドミラー、スクリーンなどのアクセサリー類は、デザインや価格の選択肢が豊富な社外品も魅力的です。
純正品のメリット(高い品質、フィッティング、車両保証への影響がない)と、社外品のメリット(価格、デザインの多様性)を比較し、自分の価値観に合った選択をすることが、満足度とコストのバランスを取る鍵となります。
2. 「積めない」ことへの具体的な対策
「積載性が低い」という情報を漠然と理解するだけでなく、自分のバイクの使い方に当てはめて具体的にシミュレーションしてみましょう。例えば、「普段の買い物で2Lのペットボトルを買って帰れるか」「一泊二日のツーリングに必要な着替えや雨具をどう運ぶか」などです。
トライデント660の美しいテールデザインを維持したいなら、防水性の高いバックパックを用意する必要があります。頻繁に荷物を運びたいのであれば、デザイン性を多少犠牲にしても、シートバッグやサイドバッグ、リアキャリアの装着を前提に考える必要があります。
この点を曖昧にしたまま購入すると、後々の使い勝手に不満を感じることになります。
3. 自身のライディングスタイルとの相性
トライデント660はオールラウンダーですが、万能ではありません。一部のオーナーからは指摘されている「クラッチレバーの重さ」は、手の小さい方や握力の弱い方にとっては、都心での渋滞走行時に大きなストレスになる可能性があります。
また、硬めに設定されたリアサスペンションは、スポーティな走りでは安定感に貢献しますが、荒れた路面では乗り心地が悪いと感じるかもしれません。
これらの点は、必ず試乗して確認することが後悔を避けるための最も確実な方法です。自分の体格や主な走行シーンとバイクの特性が本当に合っているかを見極めてください。
中古で買う際の注意点と選び方

トライデント660の中古車市場は、年々玉数も増え、魅力的な選択肢となりつつあります。しかし、見た目の綺麗さだけで判断するのは非常に危険です。
安心して長く乗れる一台を見つけるために、以下のチェックポイントを徹底してください。
最重要チェック項目:整備記録簿とワンオーナー車
中古車選びで何よりも優先すべきは、「正規ディーラーでの整備記録簿がきちんと残っているか」です。これがある車両は、適切な時期に適切なメンテナンスを受けてきた可能性が非常に高く、バイクの状態を把握する上で最も信頼できる書類です。
可能であれば、複数のオーナーの手に渡った車両よりも、素性が分かりやすい「ワンオーナー車」を選ぶ方が、より安心して購入できるでしょう。
車両を目の前にしたら、以下の点を重点的に確認します。
- 転倒痕の有無: ハンドルバーエンド、ブレーキ・クラッチレバーの先端、マフラー、エンジンケースカバー、ステップの裏側などを入念にチェックします。大きな傷や削れがある場合、見た目以上にフレームなどにダメージが及んでいる可能性も考慮すべきです。
- 消耗品の摩耗度: タイヤは製造年週を確認し、溝が十分に残っていてもゴムが硬化していないか(ひび割れなど)をチェックします。チェーンに錆や固着がないか、スプロケットの歯が尖っていないかも重要です。これらの交換には高額な費用がかかります。
- 電気系統の完全動作: エンジンを始動させ、TFTメーターの表示に異常がないか、警告灯が点灯したままにならないかを確認します。ヘッドライト(Hi/Lo)、ウィンカー(前後左右)、ブレーキランプ(前後)、ホーンがすべて正常に作動するか、一つ一つ確かめましょう。
- エンジン始動とアイドリング: セル一発でスムーズに始動するか、エンジンが暖まった状態でアイドリングが安定しているか(ハンチングしないか)を確認します。エンジンからの異音(カチカチ、ガラガラなど)にも注意を払いましょう。
特に注意すべき車両
個人売買サイトや相場より著しく安い車両には、特に注意が必要です。メーター改ざんや事故歴が隠されているリスクもゼロではありません。
少しでも不安を感じたら、その車両は見送る勇気も必要です。信頼できる販売店で、保証付きの車両を選ぶことが、結果的に最も安価で安心な中古車選びに繋がります。
タイガースポーツ660の故障リスクは?

トライデント660と比較検討されることが多い兄弟車「タイガースポーツ660」。この2台はエンジン、メインフレーム、燃料タンク、そして主要な電子制御システムといった根幹部分を共有しています。そのため、故障リスクという観点では、基本的な注意点はトライデント660と全く同じと考えて問題ありません。
具体的には、トライデント660で報告されているような、各種センサーの不具合やメーター表示のトラブル、オプションのクイックシフターの動作不良といった電気系統のトラブルは、タイガースポーツ660でも同様に発生する可能性があります。
これらのリスクを低減するためには、やはり正規ディーラーでの定期的なECU診断を含むメンテナンスが重要となります。
アドベンチャーモデル特有のチェックポイント
一方で、タイガースポーツ660はアドベンチャーモデルとしての専用装備を持っています。これらの部品に起因する、トライデント660とは異なる種類のマイナートラブルが発生する可能性はあります。
- カウル・スクリーン: 大型のアッパーカウルやスクリーンは、走行中の振動で取り付けボルトが緩んだり、部品同士が干渉してビビリ音を発生させたりすることがあります。定期的な増し締めや、必要に応じて緩衝材を挟むといった対策が有効です。
- ロングストロークサスペンション: トライデント660よりもサスペンションのストローク量が長いため、特にフロントフォークのオイルシールにかかる負担が大きくなる傾向があります。長期間使用した中古車の場合は、フォークからのオイル漏れの有無をより注意深くチェックする必要があります。
結論として、どちらか一方が構造的に壊れやすい、ということはありません。故障リスクの差で選ぶのではなく、防風性能の高さやアップライトなライディングポジション、積載性の高さといった、タイガースポーツ660が持つアドベンチャー性能が自分の使い方に合っているかで判断すべきでしょう。
デイトナ660の故障に関する情報

トライデント660のプラットフォームから生まれた最新の派生モデル「デイトナ660」。往年のスーパースポーツの名前を冠したこのモデルは、多くのライダーから注目を集めています。発売から日が浅いため、2024年現在、特有の持病や重大な故障事例は市場から報告されていません。
しかし、エンジンや車体の基本設計を共有している以上、将来的に起こりうる故障リスクは、トライデント660の事例が大いに参考になります。
特に、TFTメーターやABS、トラクションコントロールを制御するECUや各種センサー類は共通部品が多いため、同様の電気系統トラブルには注意が必要です。これは、現代の高度に電子化されたバイクの宿命とも言える部分です。
高出力化とスポーツ走行がもたらす負荷
デイトナ660を選ぶ上で理解しておくべき最も重要な点は、トライデント660よりも高性能化されているという事実です。
エンジンは専用チューニングにより最高出力が95PSへと引き上げられ、より高回転域を積極的に使って走ることを前提としています。このため、長期的には以下の部品への負荷が大きくなることが予想されます。
- エンジン内部: ピストンやコンロッド、ベアリング類への負荷が増加します。推奨サイクルを守った、質の高いエンジンオイルへの交換がより重要になります。
- 駆動系: クラッチやトランスミッション、ドライブチェーンへの負担も大きくなります。特にサーキット走行などを楽しむ場合は、消耗が早まることを覚悟しておくべきです。
- ブレーキシステム: より高い速度域からのブレーキングが増えるため、ブレーキパッドやフルードの消耗・劣化も早まる傾向にあります。
デイトナ660は、トライデント660で培われた信頼性の高いプラットフォームを基にしていますが、そのパフォーマンスを最大限に引き出し、維持するためには、より一層丁寧で、頻度の高いメンテナンスが求められるモデルであると認識しておくことが大切です。
トライデント660の故障リスクまとめ
- トライデント660の全体的な信頼性は高くオーナーからの評価も良好
- 熟成された3気筒エンジンは耐久性に優れ大きなトラブルは少ない
- 注意すべきはTFTメーターや各種センサーなど電子部品のマイナートラブル
- 人気のオプションであるクイックシフターはセンサー故障などの不具合報告がある
- 修理先の選択肢として正規ディーラーとレッドバロンがありそれぞれに利点がある
- レッドバロンは全国ネットの利便性が魅力だが専門作業はディーラーが確実
- 総合評価は軽快さ・扱いやすさ・デザイン性を高次元で両立した一台
- 最高速は200km/h超の実力を持つが真価は公道での力強いトルクにある
- 燃費性能は非常に優秀でリッター23km以上も期待でき経済性が高い
- 購入後の後悔を避けるには積載性の低さやクラッチの重さを事前に理解しておくことが重要
- 中古車選びで最も大切なのは正規ディーラーでの整備記録簿が揃っていること
- 兄弟車のタイガースポーツ660との間に構造的な故障しやすさの差はほぼない
- 最新のデイトナ660は高出力な分、よりシビアなメンテナンスが性能維持の鍵となる
- メーカーのリコール情報を公式サイトで定期的に確認する習慣が大切
- どのようなバイクでも定期的な点検と愛情のこもったメンテナンスが故障を防ぐ最善策である